カフェインって良いの?

予防医学

コーヒー、エナジードリンク、お茶、アルコール等、日常の中で嗜好品として摂取する事がある物に含まれるカフェイン。

プラス作用とマイナス作用のどちらもありますので、正しい知識を覚えておきましょう!

カフェインのプラス作用

《覚醒作用》
脳内にある「眠りを誘う受容体:アデノシン受容体」と結合し、アデノシンの働きを抑えることで脳を覚醒させる作用があります。

《鎮痛作用》
血管を収縮させる作用があるため、血管の拡張によって起こる頭痛に効果があり、頭痛薬や風邪薬の成分としてもカフェインが使われています。

《利尿作用》
カフェインは一時的に血圧を上昇させる傾向にありますが、尿の量を増やし血液の中から余分な水分を減らすことで、血圧を下げる効果も期待できます。

このように、カフェインは日常の私達に利点として働いてくれる事があります。

カフェインのマイナス作用

カフェインの覚醒作用は、疲労などの「原因」を取り除いているわけではなく、脳の中枢神経を興奮させ、体に無理をさせているだけです。
そのためカフェインの作用が切れると、頭痛、集中力の低下、疲労感などのマイナス面があらわれます。

また、依存性があり、過剰摂取は命の危険を伴う事もあるのです。

そして胃酸分泌促進作用により、胃粘膜傷害を引き起こしやすく、少しのカフェインで胃痛を訴える人もいます。

カフェインの適切な摂り方

カフェインの1回の摂取限度は、体重1kgあたり2.5mg程度までです。
体重50kgであれば125mgになります。

コーヒー200mlには80~100mgのカフェインが含まれているため、続けて2杯は飲み過ぎです。
また、効果が続くのは5時間程度なので、計算して飲みましょう。

なお、昼寝をする前にコーヒーを飲んでおくと、15分程度ですっきり目覚めて、仕事や勉強の効率が上がります。

※医薬品類の眠気覚ましの成分もカフェインですが、1回の許容量は200mgで、1日最大摂取量は500mgと定められています。

妊婦・授乳婦のカフェインはなぜダメ?

妊娠中は肝臓の代謝速度が低下するため、カフェインの分解・排出に時間がかります。

そのため、体内にカフェインが留まる時間が長くなり、胎児へもカフェインが届きやすくなってしまいます。
また、1歳になる頃までの乳幼児は、体内からのカフェイン排除能力がとても低いため、授乳中もできるだけ控えましょう。

生理中の女性は?

生理中の女性も避けましょう!
コーヒーに含まれるカフェインが鉄分の吸収を阻害して、貧血が起こりやすくなります。
そして鉄分だけでなく、カルシウムを体外に排出してしまう作用もあるので、普段から体がだるい、貧血気味、気分が優れない人などは、コーヒーは控えましょう!

まとめ

カフェインの力を借りて集中力を得たり眠気を覚ますのは「元気の前借り」と言われます。
前借したら返さないと大変なことになり、実際に命に関わることになる例もあります。

コーヒーだから、炭酸飲料だからと言って頻繁に飲み続けてしまうと簡単に依存状態・中毒に陥ってしまいます。

上手に付き合えばとても頼りになるカフェイン。
元気を前借したら、ため込む前に休んで返しましょう★

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